多くの人類は夢の中に住んでいるとゴータマブッダをはじめとする過去の賢者たちが言っているということは本当に理解されていることなのだろうか？些か疑問であるなあと考えるこの脳みそも夢の中なのかもしれないという不審もこの世の快楽というもので、真に有り難いことだ。
思い込みというのは人間のひとつの特技であり、他の生き物と比して脳ミソの発達している証でもあるのだが、これには彼方を立てれば此方が立たずというようなモグラ叩き的とも言える要素があり、出口のない迷宮、堂々巡りを繰り返す様は吉本新喜劇をも遙かに凌駕するビッグエンターテイメントであるということは明白である。
それぞれにはそれぞれの思い込みがあり、その各々が夢宇宙とも言うべき独自世界を持っている。夢宇宙対夢宇宙、一対一、多勢対無勢、多勢対多勢、ありとあらゆる夢宇宙同士の対決があちらこちらで勃発しているというのがこの地上大劇団の長期公演というものであるということは、いくら天井を睨んでも屋根裏に潜むネズミは姿を現さないという真実に似ていて博多土産のカラスミよりも実に味わい深いものである。
信じても何も起こらないし、信じなくても何も起こらないという真理に気付くには大変な修練が必要であるというヨガ行者の夢世界も、信じても信じなくても何かが起こるという経済真理教信者の夢世界もまたしかり。どれもこれも似たり寄ったり喧々諤々、騒乱騒乱ハイハイ、沖のカモメに潮時聞けば海砂利水魚はクリームシチューとなって芸人としての地位を確たるものにしたのだという事実もまた虚しく見える。
まさに横山ホットブラザーズのノコギリが「お・ま・え・は・ア・ホ・か～」と絶妙なメロディを奏でているのが聞こえてくるようでおめでたい。
夢世界を作り出し、それを成長させる栄養ビタミンの代表は「希望」「努力」「夢」「愛」といった言葉が代表格であろう。
頑張れば夢は叶うというスローガンを掲げた信仰的夢宇宙世界は多くのそれらに見られる特徴のひとつであることは真摯な研究者の注目するところでもある。
世間でヒットする歌の中にはそういったモチーフのものが少なくない。
♪手をつないで愛を叫べば夢のような世界が訪れる♪涙を乗り越えればそこにある
♪諦めちゃダメさ♪信じれば叶う♪さあ走って行こう努力は嘘をつかない♪
♪君の栄光は目の前さ♪いつだって僕はそばにいるよ♪
このようなパターンはよく見かける定石的定番ソングと言えるかもしれない。
これは人類が自分の手で頑張って今日の世界を作り上げてきたという幻想の上に立っているということは言うまでもないが、もしもそれが幻想ではなく真実だったとしても現実の世界の惨状を眺めてみれば、頑張らなかったほうがまだマシな夢世界が出来上がったのではないのかと囁くこのマインドは実にチャーミングだ。
これは私とかトレンディエンジェルの両人の頭髪がけっして豊富ではないという明白な事実と同じくらいのレベルに匹敵する当を得た見解なのではと寝言を言っているマインドと共に過ごす麗らかな一時である。
まこと楽しく愉快である。
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