さまさてぃ・・NO PROBLEM

Samasati(サマサティ)
仏教では正念という和訳をされているこの言葉。
他にも自己想起とか覚醒等という場合もありますが、自分は本来「仏」である。
いつもそれを感じ、思い起こしていなさい・・という美しくありがたい言葉です。

我が師の弟子たちに向けた最後の言葉は
「サマサティ・・覚えていなさい・・あなたがブッダ(目覚めし者)であることを」
でした。なんとありがたいことか・・このサマサティという言葉を思い起こすたびに涙が溢れた当時の思い出がよみがえってきます。

もう20年以上前のこと、初めてインドに行ったとき小生は日本語のできる現地ガイドを手配してデリーやアグラなどを観光していた。
確かデリーの街を歩いていた時のこと。
その数年前からインドのスピリチュアルな世界に興味を持ち始めていた小生はふと、以前に聞いたことのあるこの「サマサティ」という言葉を思い出したのだが、意味がどうも思い出せない。
はて、忘れてしもた。これどういう意味でしたっけ?とそのインド人ガイドに尋ねてみたのでした。

インドの言葉・・インド人なら当然知っているはずだ・・。
これは日本人ならみんな空手や柔道ができるはずだ・・という種類の固定観念なのだと思い知らされることになるのはその数分後のことなのだが、そんなことはつゆ知らずスピリチュアルな何かありがたい意味を聞かされると期待に胸を膨らませている小生の顔は穏やかに微笑んでいた。

「え、さまさてぃ・・?」
意外にもじーっと考え込んでしまったガイド氏・・。
1分くらいの後、ニコニコしながら小生に説明をはじめたのです。
「え〜と、さまさてぃ・・それはですね。ふたつの言葉からできていると思います。えと、ひとつはサモサですね。」
(サモサとはインディアンフード好きなヒトなら誰でもご存じのおやつ。カレー味のポテトや豆を揚げた三角の美味いやつです)

「えと、それからもうひとつはティーです。」(皆さんご存じ、お茶。あえて説明)

「は、はあ」微笑んでいた小生の顔が少しクモッたような気がした。

「よーするにですね、はい、サモサとティーをおやつで一緒に食べましょうという意味です、これは。サモサ食べたらティーを飲む。サモサは少し、もさもさしますからティー飲めばノド乾くのとまります。このふたつはほんとにいいコンビネーションですね・・だからお店ではこのふたつを一緒に注文しましょうという意味です。」

「いやいや〜さすがにそれはチガウでしょ〜。ホントの意味はわからんけど、チガウということだけは判りますで〜。」
小生はココロでつぶやきながら、こわばってきた笑みを隠すようにさらに自然を装って笑顔を作り、そ〜ですかそ〜ですかと2、3回うなずいてみせた。
「そもそも、ティーは英語ですがな〜。」

これ以上突っ込んで聞いても意味がないという歴然とした事実は、小生のココロの内にあった、ありがたい言葉への期待という風船を一瞬にしてしぼませた。
しかし、一生懸命に説明してくれる彼の努力に報いるためにもガッカリした顔を見せるわけにはいかない。
小生は何事もなかったように「今日も良い天気だね〜。」と話題を変えたのでした。















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