ただ在る



ただ観ている

次々と浮かんでは消える雲 

思考 感情 風 音

目の前に現れている刻々と踊り続ける風景

色 形 姿

誰が観ているのだろう

何が映し出されているのだろう

観るものも 観られるものも何処へ行ったのだ

ただ在る 在るものが 在る

元から居た所だ 出たことも入ったこともない永遠の住処だ

気がつけば此処に居た

何気ない風と光がふわっと目の前を通り過ぎた





夕方になると何とも言えないもの寂しさを漂わせる広い庭だが、今日はその儚い雰囲気が心地よく感じられた。
なにか壊れそうな甘い気持ちが胸の中で揺らいでいる。

日没前の陽射しが柿の木の上を照らし、濃い茜色にそれを染めている。





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