インドの旅 割れたトランク 〜強制的に”目覚め”をくれる神秘の国・・〜



割れたトランクのローラー周辺
入国編


疲れたなんて言ってられない旅・・
あなたを目覚めさせずにはいない・・
眠りこけたままにはさせない国・・インド!
ボーッとした意識に冷や水を浴びせかけ、ぴか〜っとハッキリクッキリさせましょ〜!

意識を覚醒させたいアナタにお勧めいたします。
それは天竺インドの旅であります〜!でんでんでん!

ああ、二年ぶりのインド!
いよいよデリーに到着だ。昨日までの忙しさも手伝って、身体は疲労モード・・だが、吾が憧れ、愛しの天竺インドに晴れて到着〜!
現地時間の夜12時過ぎ・・日本時間だと午前3時半頃ですね〜。
さあ、とりあえず予約していたホテルに入って、シャワーを浴びてゆっくり身体を伸ばして眠りましょ・・。

デリーの空港・・う〜む、デカい!
“どんだけ歩かせてくれるのですか的な”それはそれは長〜〜い距離を歩き、ようやく入国検査のデスクにたどり着くアタクシでありました。
長い列に並んでようやく無表情の入国管理官のチェックをすませ、さあ後は預けた荷物を受け取って、ホテルに向かうだけ・・。

おお、そかそか、あそこが預け入れ荷物を受け取るレーンだな、お、もう回転ベルトが回って荷物が出てきてるぞ〜!・・てな感じで駆け寄る小生。
あ、オレんだ!いやいや速いね〜!おお、いい調子だ〜!喜々としてトランクをベルトから下ろしヒト安心・・。

ん!・・
なんかヘンだぞ、ローラーを下にして置いたら安定が悪い・・下に何かが挟まってるのかな?あれあれ・・?
トランクを横にしてローラーのあたりをのぞき込む小生。

あいや〜!!なんと!!ひとつのローラーがボディにノメリ込んでいる〜!!
うぐぐ・・ローラー周辺のボディにヒビが入って割れている〜〜〜!!あひあひ〜!!

なんとかゴマカして使えるレベルではなひ〜!!
新品なのです、これは!二日前に買ったヤツ・・っははは!

今回初めて使ったのです〜わはは!
笑ってる場合じゃないけど、なんだか笑えてきた・・う〜む、これもインドの神秘か・・!

今始まったばかりのインド旅行・・!身体は疲労、頭はも〜ろ〜・・!
休みたい一心の吾がマインド・・うむむ・・びんびろび〜・・。

でもこれはマズい、ひじょ〜にマズい・・航空会社にクレーム言わねばならぬ。
クレームか・・そだ、ここはインド、英語使わねばならぬ・・う〜むめんど〜くさひのだ・・、が、しかしそんなこと言っている場合ではなひ!これからアタクシは冒険旅行ともいうべき“御インド旅行様”を始めなければならぬ身なのだ、そうなのだ!え、えいやー!!うごごごご〜!!

朦朧とした頭と寝不足カラダに喝!か〜っつ!!
補助エネルギー準備良〜し、点火〜!!

てなアンバイで空港スタッフに声をかけたのでした。
「あの〜、アタシのトランク壊れてるんですけど・・。」

「あれあれ、そですか・・ホントに?どれどれ・・。」
トランクの壊れた箇所を確認するスタッフ。
「あれあれ、ホントですね、壊れてますね。いやいやタイヘンなこってすね。いやいやどもどもすいません・・。」
過去の経験からすると、チョットやソットのコトでは謝らないインド人が謝っている・・、さすがに国の出入り口に勤務するだけのことはある・・なんぞと少し感心してしまったアタクシです。

「ホテルはどこですか?・・ああそのホテルですね、んじゃ明日そこに誰かを行かせて、このトランクを預かって、ほんでそれから修理しましょ〜。」

「いやいや、明日はもうデリーを発ってプーナに行きますんで、修理している時間はないんですよ、オニイサン。だいたいこれナオらないでしょこれ、アタシは今からアナタの国インドを旅せねばならんのです。この状態のトランクで何日も旅をするのは無理だと思いますんで、代わりのトランクを用意してもらえませんでしょかね?」

「ああ、はいはい、その通りですね・・わかりました、代わりのバッグを用意いたしますです。」

「新しいヤツですか?」

「いや〜新しくはないですが・・ともかく用意いたします。あと十五分お待ちください。」
15分・・それはインド的な15分ではないですか?」(注1
注:インド的15分=4060分、それ以上の場合もある。
「いえいえ、日本的な15分でありますよ〜、もちろん!あはは。」
ニコニコと疲れ切った小生に微笑みかける、アタマの良さそうなインドのおニイさんでありました。

「保険のこともありますし、それじゃ日本に帰ってから修理してください。」

「ん〜、それだとこの壊れたヤツを日本まで持って帰らないといけないてえことになりますよね・・。それだとそちらで貸してくれるモノと併せて二つをこの旅の間、運び続けないといけないてえ・・う〜む、それはムリですおニイさん。」

「いやいや、モンダイないですよ。なにせ一つは空(カラ)のバッグですから。」

うう〜む、でた〜!ザ・常套句“モンダイないですよ”!

「二つのトランクを運ぶのはアタクシですよ〜ん、おニイさんじゃねんですよ〜ん!インド国内線に乗る時もお金かかるのではないですか〜?おニイさん〜。」

「はいはい、そですね。それではボクのメルアドを言いますので、後ほど色々と相談いたしましょう。」

とかなんとかやってるうちに
「はい〜、ゲートの外にトランクを用意しました。どぞどぞこちらにいらしてください。」

20メートル位前方からビニールに包まれた、いかにも新しそうなバッグが運ばれてきた。
おお、よかった、来たぞ来たぞ、ニューバッグ・・!新品じゃないとは言ってたけど、なんだか良さげな感じだぞ、お〜ないす!

壊れた新品(二日前にゲットしたのです、くどいようですが・・はは)とコイツをホテルタクシーの運転手に運んでもらってようやくホテルへ・・。

ホテルの部屋に入り、ビニール袋を取ってカバンの詰め替えを始めたのです。
うう〜む、やはり新品ではない・・というよりもかなり古い・・汚い・・。
中を開けてみると・・はひはひ〜・・臭い!スエたようなインドっぽいニオイが・・むわむわ〜っと立ち上ってくる〜!
やはり一筋縄ではいかぬ・・う〜む、おぬしナカナカやるな・・!

ネームプレートには、以前の持ち主、カナダ人のナントカさんの名前が記されておりました・・っははは!!
どんな経緯でこれを航空会社がキープしていたのか・・?
忘れ物?トランク忘れるのか?!
むむむ・・奥深い神秘・・!・・わからん・・。

いずれにせよ、このトランクを使うしかない小生は、目と鼻を閉じながら(っはは!)微妙な顔をしつらえて、荷物の詰め替えをしたのでした。

プーナに入ってから、このトランクを日光浴させたりして、完全とは言えないけれどもこのニオイは軽減しております・・よかたよかた。


「のんべんだらり」としていたいマインドを放っておいてはくれない、慈悲の国、インドの旅は始まったばかりでありま〜っす!












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